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13.6.21

YU-GI-OH/ジャン

差し出されたティッシュボックスからちり紙を二枚抜き取って勢いよく鼻をかむ。そんな私を見てブレオが苦笑いを浮かべた。
言いたいことはよくわかる。いつものことじゃないか、とブレオは思っているのだ。でも、私は、その「いつものこと」が気に入らない。思い出すだけで腹が立つし、悲しいし、やるせない気持ちになる。

「なんでよぉ、なんで、なんで、なんで!?」
「あんまり泣くなよ。目が腫れるぞ?」
「泣くわ!」

なんでジャンは私のことを見てくれないのだろう。こんなに好きなのに。どれだけアタックしてもダメ。引いてみてもダメ。他の男と付き合ってみれば、興味なさそうにしているだけならまだしも……屈辱だ。
ジャンは私が告白するたびにこう言う。「チームメイトと関係を持つつもりはない」
それは確かに彼のポリシーなのかも知れないけれど、私とは関係のないことなのだと気がついていた。アンドレやブレオは曖昧な態度を取られるより良いだろうと私のことを慰めるけど、全然慰めになっていない。ジャンは、私と付き合えない理由を誤摩化しているもの。はっきり言わないことが優しさ? 気を使っている? 違うね。ジャンは私のことを煩わしいと思っている。
涙が次から次へと溢れてきてとまらなかった。つらい。ブレオが顔を覗き込んできたので顔面を手のひらで押し返す。
部屋の扉が開く音がして振り返るとバインダーを片手に、ジャンが立っていた。彼はあまりにも普段通りこちらに近づいてきて、プリントを差し出してくる。Dホイールの点検表だ。いつものくせでそれに急ぎ目を走らせ内容を確認する自分を認識したとき、プリントをテーブルに叩き付けて喚き散らしたくなった。

「エンジンに違和感を感じる。整備は入念に頼む」
「……わかった。言うことはそれだけ?」
「あまり泣くと目が腫れるぞ」

いつの間にやら引っ込んでいた涙がまたぽろぽろと零れ落ちる。誰のせいで泣いていると思って。誰のせいで目を腫らしていると思って!
滲む視界の隅でブレオが気まずそうな顔をしていた。
ブレオに言われるならともかく、ジャンには言われたくない。

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