隣に寝ていたマサキの目がゆっくり開くのを見ていた。私が次はイッシュへ行く予定だと言うと寝ぼけ眼のマサキは欠伸をひとつ噛み殺す。有名なお土産はあれそれで、最近流行っているのはこれこれだとテレビで見ただとかむにゃむにゃやっているうちに、それなりに目が覚めたようだ。
「おはよう。今日も早起きやなぁ」
「うん、おはよう」
寝癖を手櫛で直してやると、マサキはへにゃりと笑って礼を言う。
マサキは私といっしょにいられなくても寂しくないわけね、なんて言えたらどれだけ楽だろう。返ってくる答えが容易に想像できるからか嫌味を言う気にもならない。
おそらくマサキは私が寂しくないわけねと言えば「寂しい」と言うけれど、それと同時に私の見識が広がると言い、有名ポケモン雑誌の編集なんて滅多にできるもんじゃないと仕事を褒めるから、私の頭の中から言葉が失われてしまうのだ。確かにこの広い世界の隅から隅まで見て回れるような職はそうないし、それが間接的にでもマサキの役に立っていると思えばやりがいはある。仕事自体に不満があるわけではないため逆にやりづらかった。
マサキは私のことを自分の仕事を理解してくれる良い彼女だと以前言ってくれた。でもそれは誤解。マサキの方がずっと忙しく、構ってもらえなかったから自分も忙しく仕事をする道を選んだだけでそれは本当にマサキの仕事を理解しているとは言えない気がする。本当はもっとマサキといっしょにいたいのだが、口がむずむずするだけで言えずに終わってばかりだ。
「なんや辛気くさい顔」
「別に~。マサキの方こそ顔の締まりが足りないよ」
「ん? 一日の初めにかわえぇ彼女の顔見られてめっちゃしやわせやねんもん」
またそんなことを言ってと毎日のように聞かされているその言葉に半ば呆れながらも少し嬉しいとは、自分も単純だと思う。布団の中で手を握られながら早く帰ってきてと言われ、照れずにいられるほど私はまだ人間ができていないのだ。
「今日はずーっとこうしてたい」
「バグ取り、今日から本気出すんじゃなかったの」
「……せやった。タイミング悪い……」
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PKMN/ソネザキマサキ
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